将来的に昔話。

昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしていました。
お爺さんは電動アシスト付き自転車でカルチャーセンターに行き、お婆さんは歩いてフィットネスクラブに行きました。
お婆さんが適度な運動を終え、自動販売機でスポーツドリンクを買おうとしたところ、桃のジュースが出てきました。
お婆さんは、とても喉が渇いていたので仕方なくスポーツドリンクを買い直し、余った桃のジュースはお爺さんのために持って帰りました。
家に着いたお婆さんがジュースをお爺さんに手渡すと、お爺さんは大変喜んで、すぐにキャップを開けました。
飲み口が大きいタイプの缶が開栓されると、中から可愛らしい男の赤ん坊が出てきました。
お爺さんとお婆さんはとても驚きましたが、子供や孫とは疎遠になっていて寂しい思いをしていたので、この赤ん坊をネク太郎と名付け、自分たちの子供として育てることにしました。
ネク太郎は日に日に成長し、3ヶ月ほどで逞しい青年になりました。
お爺さんがネク太郎の成長をブログに載せていたのですが、たまたまそれを見たテレビタレントの不用意なツイートにより、ネク太郎の存在は世間に知られることとなってしまいました。
お爺さんのブログは炎上し、一部の週刊誌にはあることないこと色々と書かれ、マスコミの取材が殺到するなど、お爺さんとお婆さんは困っていました。
そこでネク太郎は、自分が世の中の役に立つことをして、お爺さんとお婆さんを守らなければならないと思いました。
ちょうどその頃、魔法のハーブという危険な薬物を栽培・販売していた闇組織があったので、ネク太郎はこの組織の壊滅を計画しました。
ネク太郎は、オンラインゲーム上で自分の獲得したレアアイテムを提供する代わりに、計画に協力してくれる仲間を集めました。
イヌマとマサルとユキジ(ハンドルネーム)が仲間になりました。
イヌマが客になりすまし、闇組織の人間と接触した際に、こっそりとGPS発信器をつけ、ユキジがそれを追跡し、アジトを見つけ出し、最後にマサルとネク太郎がアジトに殴り込んで完膚なきまでに叩きのめしました。
見事にネク太郎は、闇組織を壊滅させ、一躍ヒーローになりました。
これにより、ネク太郎を選挙に担ぎ出そうとする輩もいましたが、ネク太郎はそれを断り、自分の半生を一冊の本にして販売したところ、大ベストセラーとなり、映画化もされました。
以後、ネク太郎は世間にその姿を晒すことなく、お爺さんとお婆さんと仲良く夢の印税生活を送りましたとさ。
めでたし、めでたし。

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