タワシくん物語。
キャラクター紹介から
タワシくんは汚れたものをキレイにしてくれます。タワシくんは汚れが大嫌いです。でも、意志の強さが災いして、相手を傷つけてしまうことがあります。『汚れを憎んで、物を憎まず』という、亡くなったタワ爺の言葉を頭では理解しつつも、時にそれが受け入れられなくなることがあります。
洗剤くんは、タワシくんのパートナーです。地球の環境問題に興味がありますが、自分の存在が環境を悪化させていることを知り、悩んでいます。そのことをタワシくんには話せずにいます。
炭火焼肉は、汚れを生み出す組織で、タワシくんとは敵対関係にあります。果たして、彼らの目的は何なのか。
皿さんは、タワシくんが想いを寄せている相手です。皿さんは、汚れを落としてくれるタワシくんに感謝していますが、どうやらスポンジくんの優しさに惹かれているようです。皿さんには網さんという友達がいます。皿さんも網さんも、炭火焼肉の標的にされることが多く、しばしば汚されてしまいます。
スポンジくんは、タワシくんの仲間です。親しみやすく素直な性格で、柔軟性もあり、誰からも好かれています。
「今日も汚れたものをキレイにするぞ。」
炭火焼肉に直行するタワシくん。
もう、自分の出番があることは知っているのです。
「また皿さんを汚しやがって。皿さんを返せ。」
「やはり来たか、タワシくん。」
炭火焼肉と対峙するタワシくんは、いつもカッコイイ顔を意識して作っています。
「タワシくん、私よりも網さんが大変なの。」
皿さんがぐったりしている網さんを指さしています。
「いや、僕は皿さんを奪い返しに来たんだ。」
「でも、網さんが…。」
「残念だけど、網さんはもう助からないと思う。あれだけ汚れてしまっては、もう無理なんだ。きっと処分されるだろう。」
「そんな…。」
皿さんが泣いています。
「炭火焼肉め。皿さんを悲しませやがって。」
タワシくんは炭火焼肉に対して憤っていますが、炭火焼肉の茶髪のスタッフたちは「今の俺たちのせいっすか?」と言わんばかりの顔をしています。
「どうして、いつも皿さんを汚すんだ!?」
「それは、人間の可愛い子供たちが喜ぶからだ!俺たちは、あの笑顔が見たいんだ!汚れは、その代償に過ぎん!」
「なんて身勝手な理由なんだ。とにかく皿さんは返してもらう。」
「もう用済みだ。好きにするがいい。」
皿さんはあっさりと解放され、タワシくんに引き渡されました。
「タワシくん、ありがとう。ところで、スポンジくんはいないの?」
「あぁ、スポンジくんは来ていないよ。今日は家の風呂掃除を任せてきたからね。」
「そうなの…。」
不安そうな表情の皿さんに、タワシくんは優しく声をかけるのです。
「大丈夫、僕がすぐにキレイにしてあげるからね。」
「…うん。洗剤くんは?今日はあまり汚れていないし、洗剤くんがいれば、軽く洗うだけで大丈夫だと思うの。」
「洗剤くんは何か悩んでいるみたいなんだ。ウジウジして若干面倒だったから連れて来なかった。でも、僕がしっかりキレイにしてあげるから心配いらないよ。」
「いや、私、今日はこのままでも大丈夫よ。」
「何を言ってるんだ、そんな汚れた体で。ベタベタしてるし、得体の知れないものがこびり付いているよ。そんなことを言いてるから、いつも相手の思うまま、簡単に汚されてしまうんだよ。」
「…。」
「大丈夫。こうしてこうして、こうしたら、ほらキレイになったよ。」
「うん、ありがとう…。」
すっかり汚れが消えた皿さんですが、何故か元気がありません。
「どうしたの?せっかくキレイになったのに。」
「うん、ちょっとスッキリしなくて。」
「じゃあ、もう1回洗ってあげようか?」
「いや、大丈夫。目に見えない部分のことだから。」
「そうなんだ、よくわからないけど、一件落着!あとは全て水に流して終了だ!」
こうして、タワシくんは毎日頑張っているのです。
この世の中をキレイにする為、目に見える美しさの為に。
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