こういうタイプの話。
彼はのんびりしたタイプだ。
昔はせっかちなタイプだったが、体を壊し、仕事を変えてから、彼自身も変わった。
つまり、体を壊したのを機に性格が変わったタイプだ。
彼の父親も同じタイプで、体を壊してから、健康を意識しないタイプから、健康を意識するタイプに変わった。
親子揃ってタイプが変わったタイプだ。
彼は今、生まれ育った会津若松で小さなカフェを開いているタイプなのだがもうすぐ40歳タイプながらもまだ結婚していないタイプで、彼のことを昔から知っているタイプたちは、彼がそのタイプだということを心配するタイプなのだ。
当の彼はというと、性格的にやや神経質なところがあるタイプなので、他人の目を気にするタイプに思われるが、そこは逆に気にしないタイプで、このまま一生独身タイプでもいいと思っているタイプだ。
しかし、彼に転機が訪れた。
彼の営むカフェに、一人の女性が現れ、彼に微笑みかけたのだ。
彼は少し気にはなったが、自分から話しかけることもなく仕事をしていると、彼女の方から話しかけてきた。
『覚えてない?』その声を聞くまで、彼は全く気づいてなかったが、彼女は彼の中学の同級生で、彼が想いを寄せていた人だったというパターンだ。
彼女の方は彼が地元に帰って来ていることを知っていたパターンで、つまり、わざわざ彼に会いに来たパターンということで、結果二人が意気投合し、結婚するまでに、そう長い時間はかからないパターンだった。
要するに彼にとって、好みのタイプが、向こうからやってくる幸運なパターンで、実際にはあまり無さそうなパターンではあるが、こういうタイプの物語には、ありがちなパターンだ。
その後の展開は、彼が病気になるパターンとか、彼女が実は…パターンとか、色々と憶測したくなるタイプの人もいるが、実際には何も波乱のないパターンで、逆にありかもしれないと、僕はそう思うタイプだ。
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