2015年を振り返る話。

 
外国人の話。
 
秋葉原駅近くのATMで並んでいたとき、前の外国人が振り返って、急に「お母さん元気ですか?」と話しかけてきた。カタコトの日本語だったので、日本語の練習でもしたいのかと思って、笑顔で「元気ですよ」と答えた。すると、親指を立てて「グッドボーイ!」と言われ、会話は終了。
32歳の春でした。

 
おっちゃんの話。
 
8月のある日、コンビニの前を通りかかると、小汚いおっちゃんがコンビニから出てきた。そして、おっちゃんの履いていたサンダルの鼻緒が切れて、脱げてしまった。おっちゃんは、「よーし、わかった、よーし、わかったぞ」と一人で喋っていた。よく見ると、鼻緒のところにガムテープのようなものが付いていた。どうやら自分で修理をして履いていたものの、さすがに限界が来たという現実をおっちゃんは受け入れたのだ。おっちゃんは、鼻緒が切れていない方のサンダルも脱ぎ、左右のサンダルを両手に持って強く握ったかと思うと、コンビニのゴミ箱に放り込んだ。そして、裸足で帰ろうと歩道に出たのだが、8月のアスファルトの熱さを思いしらされたのか、「あっ」という小さな声を発し、おっちゃんはすぐに引き返して、ゴミ箱からサンダルを取りだしていた。
おっちゃん、今ごろ足冷えてないかなぁ。

 
滑舌の話。
 
いつも言っている美容室で、美容師さんが首にタオルを巻いたり、カッパみたいなのを着せたりするときに「苦しくないですか?」って聞いてくるけど、毎回「苦しくないんですか?」に聞こえる。
もしかして試されてるんかなぁ。

 
統一感の話。
 
電車に乗って座っていたとき、特に何をすることもなく頭を垂れて、下の方を見ていた。すると、エアジョーダンを履いた若い男性が目の前に立った。よく見ると、靴下にもジョーダンもマークが。「その統一感、嫌いじゃないよ」と思って、目線を上げていくとTシャツにもジョーダン。「ジョーダンが好きなんやなぁ」と思って、ズボンを見たら、ジーンズメイトで売ってそうなやつ。「まぁ、そんなもんか」と思っていたが、彼が電車を降りようと反対を向いた時にリュックを見たら、そこには再びのジョーダン。
「全部ジョーダンにするのは、さすがに…」と思ったんかなぁ。

 
気になったキャッチコピーの話。
 
くせになるフィット感!というコピーがついたマスクって、どうなん?

 
ある親子の話。
 
夏休みシーズンの電車は、客層が変わる。東京観光にやってきたであろう50歳手前くらいの父親と小学4年くらいの息子が、僕の乗っている電車に乗ってきた。背も低く、頼りなさそうな父親は、おそらく東京にあまり来たことがない様子。電車に乗りこみながらも、ホームの案内表示を見ようとキョロキョロ、乗ってからも入念に路線図を確認している。でも、この息子にとっては頼みの綱であり、色んなことを知っているお父さん。だから、父親のかばんの端をギュッと掴んでいた。
何味と言えばいいのだろうか、この気持ちは。

 
夢の話。
 
どこか外国の広場で、モニターを見上げて演劇を見ていたら、おしりを触られた。振り返ると、優しそうな外国人のおじいちゃんが触っていたので、「男ですよ」って伝えたら、その横にいた奥さんと思われるおばあちゃんが、「そんなことはどうでもいいの、いいお尻なんだから」と言われた。しばらくして、また触られたので振り返ると、今度はおばあちゃんが触っていた。「何がしたいんですか?」と聞くと、「もっと可愛いリアクションをとって、少し恥ずかしそうにしてごらん。そしたら、みんながハッピーになるから」と、納得できそうで、できないことを素敵な笑顔言われた。

 
来年も楽しいことが起こりますように。
 

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